京都で桜の花見というと、一般には4月上旬までのイメージですよね。
でも、今回ご紹介するのは3月末から4月下旬までの長期間桜を楽しめるという、他とはちょっと違った花の名所です。
「桃源郷のよう」とも称される原谷苑の魅力に触れて、ぜひ行ってみてくださいね。
原谷苑とは
原谷苑とは京都・洛北にある個人庭園です。
戦後、原谷開拓団の依頼で植樹したことに始まりました。当初は身内だけのお花見だったそうですが、徐々に噂が広まって、現在では年に3回(梅・桜・もみじ)一般公開をされています。
そのうち、私が最も美しいと思うのは、やはり春。
桜だけでなく季節の花々(例えば山吹やツツジ、ユキヤナギなど)が視界一面に広がります。
その美しさはまるで桃源郷に来たかのよう。
枝垂れ桜が多いことから「桜のシャワー」と表現する方もいらっしゃいます。
実際に訪問した私としては「春に埋もれる」と表したい場所です。
訪問のおすすめ時期は4月中旬以降。
正確には、ソメイヨシノのピークが過ぎてから、になります。
ソメイヨシノが満開を迎える4月上旬は京都の二大繁忙期の1つ。
その間はここ原谷苑も多くの方が訪れるそう。実際、京都の企業はここでお花見をする会社もあるくらいです。
ただ、その人混みも上旬まで。
ソメイヨシノのピークが過ぎれば団体客がグッと減るので、ゆったりと過ごすことができますよ!
苑内風景
では実際に苑内の風景を見ていきましょう。
訪問したのは2019年4月16日。
本来ならば、桜の花見をするピークはとっくに過ぎている時期、
…………のはずですが!
中に入るとこの風景!
枝垂れ桜が満開で、足元には晩春を彩るユキヤナギや山吹が咲いていました。
丘の斜面を利用して作られた原谷苑。
上から眺めても下から眺めても、色とりどりの花々を見ることができますよ。
(その分、段差や多少の斜面を歩くことになります。また、苑内は舗装がされていません。歩きやすい靴でおでかけください)
散策用の小道沿いに咲く花が、黄色や白、赤などさまざまなので、より華やかさな風景に。
このあたりなどは特にファンタジーの世界に迷い込んだような印象を受けました。
苑内をぐるっと回って、一息つきたいときには東口近くの喫茶がおすすめです。
私がいただいたのは煎茶(和菓子付き)500円。
この日の和菓子は、シソ饅頭で有名な嵯峨嘉さんの桜餅でした。
上品な餡の甘みと桜の美しさに癒やされ、心ゆくまで、くつろぐことができました。
わら天神前へのシャトルバスは行きと同じく、西口からの乗車です。
昼過ぎになるとシャトルバスは20~30分の待ち時間が必要になりますので、次の予定を組まれる方は早めの行動をおすすめします。
原谷~わら天神までの道が細いので、交通量が増える日中はどうしても行き交うのに時間がかかるんですよね………。
その間の待ち時間に、近くにある原谷弁財天に行ってきました。
坂をあがったところにあるお社にお参りし、振り返るとこの光景。
原谷苑の桜がいかに多いかがよくわかりますね。
入場料は変動制
こちらの特殊なところは「桜の開花状況によって入場料が変化する」という点です。
2019年度は咲き始めが1000円、満開時は1500円でした。
ちょっと高いなぁ、と思ったあなた。
わかります。わかりますよ、私も正直言うとそう思っていました。
でも実際に行くと、むしろ安いように感じます。
これだけの場所は他にはないこともそうですが、そのときどきのピークの花に合わせて鉢植えを移動させるなど丁寧なお仕事の上でこの風景は成り立っています。
後述しますが、無料シャトルバスも走っています。これも本来市バスを利用すれば往復460円必要。
などなど、考えると満開時の1500円は決して高くはありません。
それよりもこれだけの風景を一般公開してくれることに感謝したい。そんな場所です。
アクセス
基本は京都駅から市バスに乗車し「わら天神前」にて下車。
停留所から少し北に歩いたところに「わら天神」という神社があります。
そこから無料のシャトルバスに乗り換えて、さらに約10分です。
無料シャトルバスの出発場所には、手持ち看板を持った警備員さんがいるので目印にしてくださいね。
グループであれば京都駅もしくは金閣寺や仁和寺の周辺からタクシーを利用するのもあり。
実際、ハイヤー利用で訪れている方も複数いらっしゃいました。
なお、原谷苑周辺は非常に道が狭いことから、自家用車などは乗り入れ禁止になっています。
加えて、原谷エリアへの市バスM1系統は地域の人の貴重な足ですので、シャトルバスやタクシーの利用を苑側は呼びかけています。
ちなみにですが、遅咲きの桜で知られている御室仁和寺までは歩いて約2km。片道30~40分の距離です。
行きはバスorタクシーで、帰りは徒歩で御室桜を観賞するというのもありですよ!
シャトルバスの運行など、原谷苑の詳しい情報は公式サイトで御覧ください。