日本の古都にして、一大観光地である京都。特に春の桜と秋の紅葉が人気で、国内外から多くの人が訪れます。しかし、そのぶん市内は大混雑で、観光客にとっても避けられない悩みとなっています。
そこで、この記事では京都市内に住んで10年近い筆者が、京都観光をするにあたっての6つのポイントをピックアップ!可能な限り混雑を避けて京都観光を楽しむためのヒントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
手荷物は少なく! コインロッカーや宅配サービスを頼ろう
人気観光地に行けば行くほど、混雑が避けられません。そんな中、大きな荷物を抱えて移動しているとバスや電車の乗り降りだけでもイライラ……。それを避け、少しでも気楽に観光するには、身軽になるのが1番です。
そんなあなたにオススメなのがホテルまでの宅配サービスです。
これは京都駅~宿泊施設間で荷物を宅配し、夕方以降に宿泊施設で荷物を受け取れるというもの。荷物1つにつき600円と多少お金はかかりますが、コインロッカーのように空きを探す手間や預け先まで荷物を取りに戻る手間がなくなります。大混雑間違いなしの京都駅に荷物を取りに戻る時間があれば、もうひとつ観光する場所を増やすこともできますよ。時間の有効活用ということでは、本当にオススメのサービスです!
予約している宿泊施設が宅配サービスに対応しているかは以下のサイトで検索ができます。一度、確認してみてくださいね。
行きたい場所は絞ったほうがいい。優先順位もつけよう
「せっかくの旅行、いろんなところを見に行きたい!」
そんな方は多いと思いますが、京都在住の立場からすれば大繁忙期にそれはあまりオススメできません……。行きたいところが徒歩圏内に集まっているのなら問題ないのですが、公共交通手段を使って複数エリアを見て回るとなると、移動時間で満足な旅行とはならない可能性があります。
そんなことにならないために、ぜひ下の3つのポイントを念頭にプランを組んでみてください。
① 午前・午後、それぞれに最優先でまわりたい場所を1ヶ所決めよう
② ①の場所にプラスして2~3ヶ所、余裕があれば行きたい観光地を決めよう
③ 食事の予約はお早めに。さらに移動時間も余裕を持って。
「それだけしかまわれないの?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながら近年の京都の混雑はそれほどにヒドイのです……。せっかくの機会でしょうが、旅行の満足度を考えれば無理のない計画を立てることを強くオススメします。
京都は四季いずれも美しい街です。何度かに分けて、それぞれ異なる魅力を楽しまれる方がゆとりある観光になると思います。(実際、京都在住10年近い私でも京都は巡り尽くせていません。同じ場所でも行く度に異なる趣があるのが古都として京都が愛される理由のひとつです)
早朝観光・夜間拝観を活用しよう
少しでも混雑を避けたい方は日帰り観光客のいない時間の観光、早朝観光と夜間拝観をぜひ検討してみてください。
特に早朝観光はオススメ。
朝日を浴びる京の街は人がグッと減り、日中とは異なる雰囲気が漂います。この時間を楽しめるのは、京都に泊まるからこそ。その特権を存分に満喫しましょう!
清水寺近くの二寧坂や伏見稲荷大社など24時間訪れられる場所はもちろんのこと、岡崎エリアの平安神宮(6:00開門)や嵐山の天龍寺(8:30開門)など有名な観光地でも開門が早いところがいくつもあるんです。これらの有名観光地を朝イチで観光したあと、喫茶店でモーニングなんていうのも、京都らしくてステキですよ。
また、市内いくつかの寺院では朝の体験コースを組んでいるところがあります。お寺の朝膳をいただいたり静寂の中で座禅を組んだりと、京都らしい体験を楽しめます。
参考:
早朝から参拝・拝観できる京都の社寺|朝観光・夜観光のススメ一覧|京都朝観光・夜観光|京都観光オフィシャルサイト - 京都観光Navi
坐禅と朝粥体験 | 毘沙門堂 勝林寺
夜間拝観なら、山科の醍醐寺と大原の宝泉院がイチオシです。
どちらも人気の高い寺社ですが、京都市街地から少し外れたところにあるので、その分人も少なくゆっくりと紅葉を楽しむことができますよ。
参考:
京都 大原 宝泉院 ~ 額縁庭園のお寺・額縁寺 ~
世界遺産 京都 醍醐寺
公共交通手段は「電車からバスへの乗り換え」が基本
京都観光をするなら、マイカーは厳禁! そして、公共交通手段を利用する多くの場合において、「電車からバスへ乗り換え」が基本となります。
理由は2つあります。
第一に、電車の方が定時運行で、かつ輸送力があるから。第二に、有名観光地行きの路線は満員で乗車できないことがあるからです。乗れたとしてもギュウギュウ詰めというのもよくある話なんです……。
そうならないよう、電車で行けるところまでは行って、そこから先はバスや徒歩で移動する。
公共交通手段を利用して市内の大渋滞を回避するには、このパターンに当てはめるのが1番ラクです。
また、その際には、京都市交通局が販売している「地下鉄・バス1日券」もしくは「地下鉄・バス2日券」の活用を検討してみてください。1日券は900円で市営地下鉄とバスの均一区間が乗り放題。京都の地下鉄は初乗りが220円と日本一初乗り運賃が高いので、あっという間に元が取れちゃいますよ。
旅程を単純化。乗り換えが苦手な人は、使う路線や観光エリアを決めてしまおう
前項では乗り換え前提でお話しましたが、そうは言っても慣れない場所での乗り換えが苦手な方もいるはず。そんな方は経路検索の手間を減らせる旅程を組みましょう。
方法は2つ。
パターン① 乗車する路線を絞り、その周辺で観光地を探す
パターン② どうしてもいきたい観光地が属するエリアだけをまわる(徒歩圏内が望ましい)
具体例を挙げてみます。
【 パターン1 京都市営地下鉄の烏丸線だけを使って観光をする 】
京都駅
↓ 地下鉄
丸太町駅
↓ 徒歩
京都御苑(京都御所)
東京へ遷都するまで、御所があった場所。京都御所の拝観ができる他、苑内には旧宮家・貴族の邸宅がいくつかあり観覧することもできる。市街中心部の桜と紅葉の名所としても知られる。
↓ 徒歩
相国寺
京都五山のひとつである古刹。秋には特別拝観が行われている。
↓ 徒歩
今出川駅
↓ 地下鉄
北山駅
↓ 徒歩
京都府立植物園
鴨川の水を取り入れた、日本初の公立植物園。特に紅葉の時期は人気が高く、訪日客もわざわざ足を運ぶほど。
↓ 徒歩
マールブランシュ京都 北山本店
京都の有名洋菓子「茶の菓」を販売する洋菓子店の本店。本店限定メニューもあり、おみやげ探しにも観光の休憩にもおすすめ。
↓ 徒歩
北山駅
↓ 地下鉄
京都駅
【 パターン2 「竹林の小径に行きたい」→嵐山エリアだけをめぐる 】
京都駅
↓ JR
嵯峨嵐山駅
↓ 徒歩
野宮神社
源氏物語ゆかりの神社。十二単が描かれた絵馬が可愛らしい。
↓ 徒歩
竹林の小径
嵐山の人気スポット。人力車も通る、絵になる風景。
↓ 徒歩
大河内山荘庭園
昭和の大スターが私費を投じて作った庭園。嵐山にありながら、知る人ぞ知る穴場。拝観とお茶席がセットなので、拝観後はゆったりできる。
↓ 徒歩
常寂光寺
もみじの名所として近年人気急上昇のお寺。境内には市街地を見渡すこともできるスポットも。
↓ 徒歩
キモノフォレスト
友禅の着物をオブジェにした、嵐電嵐山駅の観光スポット。インスタ映えで人気。特にライトアップが美しい。
↓ 徒歩
渡月橋
竹林の小径と並ぶ、嵐山の代表する有名スポット。川の音を聞きながら休憩するにもいい場所。
↓ 徒歩
嵯峨嵐山駅
↓ JR
京都駅
いかがですか?
意外といろいろ観光できると思いませんか?
この他、パターン1でおすすめの路線を下に挙げておくので参考にしてみてください。
また、パターン2で旅程を組みたいときは、最優先の場所をGoogle mapなど地図アプリ上でマークして、その周辺のお寺や神社、カフェなどを調べると、位置の把握がしやすくておすすめですよ。
【 パターン①でおすすめの路線とその周辺主要観光地 】
・ 市営地下鉄東西線 … 二条城、南禅寺、蹴上インクライン
・ 嵐電(京福電車) … 渡月橋、キモノフォレスト、仁和寺、北野天満宮
・ 京阪電車 … 下鴨神社、旧三井家下鴨別邸、鴨川、祇園白川
京都は自転車や徒歩でも楽しい街
京都は100万人都市ではありますが、その範囲は意外と狭いのが特徴です。
そのため観光をするならバスよりも、実は自転車や徒歩のほうが融通がきいておすすめ。実際、 京都在住の私も、春や秋の混雑時には自転車移動がほとんどです。観光客にとっても 京都駅周辺に複数あるレンタサイクルショップは便利で、特に欧米からの訪日客にはすでに馴染みがある交通手段のひとつになっています。
自転車や徒歩でめぐるメリットは3つ。
① 渋滞に巻き込まれない
② 公共交通手段の路線図にとらわれない観光を計画できる
③ 裏通りや路地の奥にある、密やかなカフェやお店に出会える
個人的には③のメリットが大きいですね。
たとえば北野天満宮から京都御所にかけての西陣エリアは、今でも多くの町家が残るエリア。ガイドマップには載らないけれど、でも見事な桜や紅葉を持つ寺社もあります。さらに町家を使ったおしゃれカフェも。聚楽第跡や黒田如水邸跡など、いろんなところに石碑が立っているので歴史好きにとっては、当時に思いを馳せるきっかけにもなります。
車や電車の移動速度では見落としがちなこうした小さな発見が、意外と旅を彩る素敵なスパイスになりますよ。
さて、実際にレンタサイクルを使うとなると、気がかりなのが駐輪場の場所。
有名な寺社にはそれぞれ駐輪場がありますが、その他繁華街などは以下のサイトから検索することができます。
駐輪場Navi | 京都市サイクルサイト
「えー、駐輪場をわざわざ探すなんて」
そんなあなた、ご注意を。
市内では自転車撤去の車がよく周っており、レンタサイクルも含めて不法駐輪は回収されてしまいます。取り戻すにはわざわざ収集場まで行き、さらに2300円支払う羽目に……。せっかくの観光でそれは嫌ですよね? そうならないよう、きちんと駐輪マナーを守って、京都観光をお楽しみくださいね。
以上、京都在住者がご紹介する、京都観光のポイント6つでした。
このポイントを参考に、ぜひ楽しい京都でのひとときをお過ごしくださいね。