湯の峰温泉ってどんな温泉?
和歌山県にある湯の峰温泉は開湯1800年の日本最古の温泉のひとつです。
古くから霊場であった熊野は、浄土信仰が高まる平安時代後期より『浄土の地を訪れる』として熊野詣が始まりました。多くの歴代上皇の熊野御幸により知られるようになると、後には全国から熊野三社(熊野本宮大社、熊野速玉神社、熊野那智大社)へ集う参拝者が旅の疲れを癒そうと立ち寄るようになりました。
そんな湯の峰温泉を代表する温泉が『つぼ湯』と呼ばれる温泉です。
この温泉で、熊野詣をする人々が禊(湯垢離)を行い旅の疲れを癒やしたことは「人間の営みと自然の特異な結びつきを示す」とされ、現在は参詣道の一部として世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されています。
泉質は関西では珍しく硫黄泉で、周辺では奈良県十津川村の湯泉地温泉も同じ泉質です。
本宮大社や仙人風呂で有名な川湯温泉からも近く、観光の途中で寄りやすい温泉地です。
世界遺産の『つぼ湯』
世界遺産に登録されている『つぼ湯』ですが、現在も一般に開放されており、気軽に入浴することができます!
つぼ湯は30分交代の貸切風呂になっており、料金は大人ひとりにつき780円。
湯の峰温泉公衆浴場の券売機でチケットを購入後、公衆浴場の窓口にチケットを渡します。
窓口でチケットを渡すと、番号札(下の写真)と日付入りの入浴証明書をもらえます。
札を受け取ったら、つぼ湯へと向かいましょう。
つぼ湯の入り口には番号札を書ける場所があります。
前の人が入浴している場合は、ここに数字がかかっているので、入り口上の待合いスペースで待っていましょう。逆に言えば、ここに数字がかかっていないと次々と他の組が入ってしまう恐れも。順番が抜かされないため、ひとつ前の数字がかかっている場合は30分近く待つことになろうとも、待合いスペース場合にいるのが無難です。
(実際、公衆浴場側からもそのような説明を受けます)
さて、前の人が出てきたら、改めて中に人がいないことを確認します。
そして、ドアの横に番号札をかけて、中からカギを閉めます。
それでは、30分間贅沢に世界遺産のお湯を楽しみましょう!
つぼ湯はその名の通り、川沿いを壺のように掘ったところから温泉が湧いています。
一度に入れるのは大人2人までが理想。3人では狭く、4人以上はまず無理です。
お湯はかなり熱いので要注意。なんと源泉の温度は92℃もあります!
そのため、水を入れて温度を下げてから入りましょう。
とはいえ、前の人もおそらく水を入れているはす。温度を確認してから少しずつ入れることをおすすめします。
つぼ湯に入浴すると、公共浴場の一般湯またはくすり湯を1回利用できます。
一般湯は加水をして適温まで冷ましたお湯で、くすり湯は源泉を加水せずに冷ましたお湯です。
くすり湯ではせっけん・シャンプー等使用禁止ですので、注意してください。
「湯筒」で温泉たまごを作ろう!
湯の峰温泉街の中心部を流れる川沿いには「湯筒」と呼ばれる源泉があふれ出しているところがあります。
この源泉にたまごをつけて温泉たまごを作ることができます。
つぼ湯の待ち時間が1時間以上ある場合にはここで、温泉たまごを作りながら時間を潰すのもオススメ!
湯筒に下る階段の近くには、売店があり、ネットに入れたたまごが売ってあります。観光客の多くはここで買うことになると思います。
もちろん家から持ってくるのもOK。ただし、湯筒のふちにある突起に引っ掛けるので、ネットなどが必要です(下の写真を見てください!)。家から持ってくるときは注意しましょう。
近くの道の駅奥熊野古道ほんぐうにはAコープ(スーパーマーケット)があるので、そこで野菜などを買うのも良いですよ。個人的にはさつまいもがオススメです。
温泉街の売店ではたまご3個(ネット、殻入れ、塩付き)120円でした。
およそ10分で完成!
味の濃いおいしい温泉たまごができました! 半熟・固めなど好みに合わせて茹で時間を調整してくださいね。
ちなみに僕は、できたてが熱すぎて剥くのに四苦八苦している間につぼ湯の順番が回ってきたので、お風呂が上がってから食べました。熱々でなくとも、おいしくいただけましたよ。
お土産にはタオルはいかが?
お土産におすすめなのが、湯の峰温泉オリジナルのタオルです!
湯筒近くの売店(卵を売っている店と同じ)で600円で購入しました。
つぼ湯、湯筒、世界遺産など、湯の峰温泉に関わるワードが入っています。
記念品としてもデザインもお気に入りのタオルです。
アクセス・駐車場の場所
湯の峰温泉は大阪から国道168号線を経由して、車で約3時間。和歌山県新宮市からは1時間弱の場所にあります。
自家用車以外にも、和歌山県側を中心に紀伊田辺市・新宮市などからバスがあるので、運転できない方でも訪れることができますよ。
温泉街の共同駐車場はgooglemapの公衆トイレのところにあります。
公衆トイレの東側(地図の右側)にあるPマークは、おそらく宿の駐車場だと思われるので注意してください。
また、湯の峰温泉への道は、本宮側からよりも川湯温泉側からのほうが走りやすいです。
本宮側からの道はカーブが多いです。そこまで狭い道ではないので、走りづらさはそんなにないですが、川湯方面からの道はしっかり整備されているので走りやすいです。