奈良県中部にある紅葉の穴場、談山神社をご存知ですか?
飛鳥時代に始まる歴史あるこの神社は、山間にあり、境内全体が錦綉に色づく美しい場所です。さらに毎年秋にはライトアップも開催! 重要文化財の十三重塔と本殿が紅葉の中に浮かび上がります。
この記事では筆者が実際に訪れた時の写真・感想を交えながら、談山神社についてご紹介します。
どんなところ?
談山神社は奈良県中部の桜井市にある神社です。
祭神は、飛鳥時代を生きた藤原鎌足。中大兄皇子とともに当時の権力を握っていた蘇我入鹿を討ち、大化の改新を行った人物として日本史に名を残しています。律令国家成立の立役者である藤原鎌足と中大兄皇子、このふたりが大化の改新についての談合を行った場所こそ、現在談山神社がある多武峰(とうのみね)なのだそう。
その後このあたりが「語らい山」と呼ばれたことで、談山神社の社号が起こったとされています。
観光地としては明日香村に近いことから、飛鳥時代・奈良時代の史跡をめぐるルートのひとつとして知られています。特に春の桜、秋の紅葉は人気がある時期です。
参考:談山神社|公式ホームページ
ライトアップは通しの入場が可能!
談山神社は毎年秋にライトアップを行っています。
2020年は11月13日から29日まで、入山の最終受付は19:30までです。
ここを拝観するにあたって嬉しいのは、昼と夜の拝観時間に区切りがないこと。
京都の有名寺院は日中の拝観時間と夜間の拝観時間を分け、それぞれ入場料を払うことも多いのです。もちろん美しい場所を維持するためですし仕方ないのですが、複数の神社仏閣をまわる懐には痛いことも……。
その点、談山神社はその区切りがないので、夕暮れからライトアップまでゆったりと散策をすることができました。
日の入り前には、自然光の柔らかな光のもとで見事な紅葉を見ることができます。
夜間拝観おすすめポイント
入山は昼夜区別なく通しで行われていますが、ライトアップ自体は日の入り後から始まります。
その中で私がおすすめする時間帯は日の入り直後!
空に青さが残り、写真界隈ではブルーアワーと呼ばれる時間です。この時間に訪れると、青みを帯びた空と橙や紅に染まる紅葉の対比がより強く印象に残ること間違いなし。特に、談山神社の境内は山の斜面を利用して広がっているため角度がつけやすく、被写体と空の両方を見やすいこともお気に入りポイントのひとつなんです。
続いて、実際に行って撮ってきた写真とともに、おすすめスポットを紹介していきます
紅葉に包まれる十三重塔
談山神社に来たらここは見逃せないのが、十三重塔。
ポスターにもよく使われる、談山神社で最も美しいスポットのひとつです。特に本殿からつながる階段からの風景が美しく、紅葉に包まれる重厚な姿を見ることができます。
また、この塔は木造建築の十三重塔として世界唯一のものなのだとか。678年建立、1532年再建と長い歴史を持つものでもあります。高さ約17mの塔を見上げ、その歴史の深さに思いを馳せるのもおすすめです。
シルエットが魅力の本殿
2つめのおすすめスポットは本殿です。
本殿を額縁に見立てた風景、回廊の灯籠をシルエットにした風景はともに人気があり、今回私が訪れたときにも多くの人が足を止めて、写真に収めていました。
灯籠の風景は、同じ藤原氏の社である春日大社にも通じる風景ですね。
この回廊からは空に月がかかる様も見ることができます。
さて、ここまでは他でもよく紹介されている風景。
しかし、個人的イチオシは本殿の下。紅葉と本殿を支える柱のシルエットが美しいこの風景なんです。
参道正面に伸びた階段から撮りました。
山際からせり出した本堂を支える柱が額縁のように見えて、お気に入りの1枚です。
ちなみに、本殿の項目でご紹介した3枚の写真は、どれも同じモミジの木を場所を変えて撮ったもの。それぞれの視点ごとに同じ木とは思えないくらい異なる魅力を見せてくれました。
その他の風景
アクセス
・自家用車の場合
桜井市方面と明日香村方面の2方面から行くことができます。明日香村の石舞台古墳からは5km、8分の距離です。
・バス利用の場合
近鉄大阪線 桜井駅から乗車。折返しの桜井駅行きバスは最終が早いので、事前に時間をチェックしてからの訪問が吉。