どんな成果が出たのか
まず初めに語学面について書きます。語学はホームステイ先での会話や授業で使用するので、少しずつ上達していきます。渡航後4か月ほどである程度相手の言っていることを理解できるようになってきました。ですが、まだ返事をすることはできない状況でした。6か月ほど経つと、ひとまずの電話もできるようになりました。何とか生活できるようなレベルです。
ただ、決定的に足りなかったのは単語量でした。英文を作る感覚(語順、文法)が身についても、単語がわからなければ相手に伝えられません。これが滞在期間を終えて残った課題でした。しかし、次のステップに向けての道筋は見えてきました。
次に性格について。トロントでの生活の中で多くの人と出会いました。それも日本人だけでなく、様々な国の人と関わる機会が毎日ありました。そのような環境において、慣れない英語でコミュニケーションをとる生活が続き、初めての人、それも日本人以外の人に話しかけることにためらいがなくなりました。そもそも日本人がいない環境が多いので、道を尋ねるにも、買い物をするにも、自分から英語で話しかける必要がありましたし、他民族都市のトロントならではの相手を尊重する雰囲気がそうさせてくれたのかもしれません。
また、お金をかなり節約していたと書いていましたが、トロントに行く前はカフェにも行きませんでしたし、大阪―東京くらいの距離は18きっぷか4列夜行バス以外はほとんど乗りませんでした。ちょっとした息抜きや少し余裕を持つことを全くしてきませんでした。
しかし、トロントでは友達とカフェで勉強したり、ゆっくり話したりする機会が多くありました。また、バンクーバーからトロントまで4泊5日寝台列車の旅をしました。毎食食堂車で食事をしながらカナダの雄大な風景を眺められる列車です。そのような時間が与えてくれる少しの幸せに気づくことができました。
もちろんお金を節約することはもちろん大切なことです。無駄使いはもちろんしないよう気を付けないといけませんが、自分の日常の幸せや気分を上げるためのちょっとした時間は全然無駄ではないし、むしろ日常生活を豊かにしてくれる必要なものだと気づくことができました。
そして、最後にインバウンドの話ですが、これは正直あまりしっかり取り組まずにそこそこの内容を提出して事なきを得たという結果になりましたので特筆することはありません。
留学全体を振り返って最も学んだことと留学をする理由
留学生活全体を通して最も学んだことは、様々な人や食、価値観に触れることで海外にとても興味が持てるようになったことです。もっと他の国に行ってみたい、もっとたくさんの人に会ってみたい。このような感情が抑えられないほどに湧き上がってきました。この好奇心は日本のみで過ごしていた留学前では全く感じなかったことです。
語学留学をしたから、というよりは海外で、それも他民族都市トロントで長い時間を過ごしたからこそ得られたことだと思います。なので、もともとは野球が見たくて選んだトロントですが、結果として大正解だったと今では思っています。そして、今では25か国に渡航しバックパッカーをし続けています。
初めは母にほぼ強制的に行かされた留学でしたが、当時前向きでなかった僕を無理やりでも行かせてくれたことにとても感謝しています。あの時、母がその選択肢を与えてくれなかったら、今の毎日はないと心から思っています。結局留学する理由なんて何でもいいのだと思います。どこに行っても、何かしらの発見や経験、刺激があると思います。それをどのように自分のこれからの人生にプラスにしていくか、が最も大切なのだと思います。