バンコクから1泊2日のホアヒン旅。今回は大学の時の後輩との2人旅。
目的はプラヤナコン洞窟にある宮殿に行くこと。とても神秘的な写真に惹かれて訪れることに。
※1バーツ=約3円
バンコクの鉄道の玄関口であり、バンコクからの鉄道の起点フアランポーン。ここから深南部ヤラーに向かう列車に乗る。
東南アジアの雑踏、それでいてどこか懐かしく安心感のあるフアランポーンは、重厚感のあるドームを持ち合わせたターミナル駅だ。
15:35発ヤラー行きに乗車するため、14:50ごろに到着した。
まずはホアヒンまでの切符を購入する。ホアヒンまではおよそ220km、4時間半の道のりだ。
ホアヒンまでと伝えると、240バーツくらいの値段を言われた。思っていたより高い。「あ、エアコン車になっているのか」と気づく。ロッパッロムにしてほしいと伝える。ロッパッロムとはタイ語で扇風機車のことだ。タイの3等扇風機車の雰囲気がたまらなく好きなのだ。ちなみに扇風機車は94バーツだ。
切符を買ってから、トイレに行き、食堂で遅めの昼ごはんを食べ、旅のお供の食料を調達する。
ちょっと遅めの昼ごはんはカオマンガイだ。鶏だしで炊いたご飯と茹でた鳥、そして付け合わせのナムチム。とてもシンプルな料理だけど、お店によってご飯の炊き具合、ナムチムの味、鶏肉のしっとり感など様々で奥が深い料理である。
鉄道旅の準備ができたら、いざホームへ。
ここのホームでは、相変わらず散髪屋さんが営業をしている。大きなターミナル駅でありながら、ホームで営業する散髪屋さんというなんとも不釣り合いな風景がフアランポーンらしくて好きだ。
列車に乗り込むと定刻に出発。
今まではアユタヤやノーンカーイに向かった時に利用していた国鉄だが、南に向かうのは初めてだ。
南に向かう線路は、バンスーの北側で北に向かう線路と分かれる。左に折れていく線路の存在に今までは気づいていなかった。「そんなところに分岐していく線路なんてあったかな?」なんて思っていたくらいだ。バンスーを出発すると本当にすぐ左に曲がり、ナコンパトムへとひたすら走り続ける。
タイ国鉄3等扇風機車は、直角いすの列車で窓を開けっ放しで走る。この列車はドアも開けっぱなしだ。車内に吹き込む風がとても気持ちいい。スピードが出ている時は少し強すぎるのだが。
車内はタイ人がほとんどだ。アユタヤに向かう列車とは違いファラン(欧米人)も日本人もほとんど見当たらない。南に向かう列車に乗る外国人がもともと少ないのだろうか。それとも、ホアヒンやナコンシータマラート、スラタニやハジャイといった遠方の町に行く人が多いため2等以上に乗っている人が多いのだろうか。
フアランポーンで買ったフルーツを食べたり、音楽を聴いたり、外を眺めたり、寝たり、話したり、思いのままに過ごす。この直角イスにずっと座り続けているとおしりがかなり痛くなる。タイ人たちはイスの上であぐらをかいたり、寝転がったり、けっこう自由に過ごしている。
列車はほぼ定刻でホアヒンに到着した。
ホアヒンの駅はタイ国内で最も美しい駅のひとつだという記事を見たことがある。それにたがわず、とても美しい駅だ。
駅から宿まではおよそ1.8km。歩いても25分くらいだけど、ナイトマーケットも行きたいし、ご飯も食べたいし、トゥクトゥクに乗ることに。この時、およそ20:20。
トゥクトゥクは120バーツ。アユタヤにしてもそうだけど、トゥクトゥクという乗り物はやはり楽しい。味があるというか、タイに来た感じがする。
宿までのトゥクトゥクから見たホアヒンの町は、とても落ち着いた雰囲気で居心地が良さそうだ。それでいて、それなりの規模の町だから買い物にも困らなさそう。町歩きが楽しくなりそう。
今回は後輩の希望で4つ星ホテルに宿泊した。バックパッカーにとっては夢のような、なかなか慣れない空間だが、やはり雰囲気は抜群だ。
これで、朝ごはんつきで、日本円でひとり6500円ほどなのだから、たまにはいいのかもしれない。
さすがに男2人なのでプールには入っていないが、雰囲気もスタッフさんの接客も朝ごはんも良く、次回ホアヒンに来たらもう一度泊まりたいと思っている。
チェックインが終わった時点で20:45くらい。ウィークエンド限定のナイトマーケットが22時までなのだ。レセプションのスタッフさんもおすすめと言っていたし、タクシーで250バーツで行けるとのことだったので、すぐにタクシーを呼んでもらい出発。
そうして訪れたCICADA MARKETは、いわゆる東南アジアのナイトマーケットのイメージとは全く異なるものだった。
ガラス職人がガラス細工をその場で作っているお店や、ハンドメイドのせっけんを売っているお店。
パイナップルのお菓子を作る工房や、さまざまな雑貨店。
見て歩いているだけで、ワクワクがとまらない!
でも時間があまりない。
50分くらいしかない。
それでも、ひととおり見て、パイナップルジャムとパイナップルクッキーとTシャツを購入。パイナップル工房のお菓子がとてもおいしかった。
また必ず来ると誓い、タクシーで町に戻る。
町中にある、よくあるお土産メインのナイトマーケットをぶらぶらしながら、レストランに入る。
海沿いの町なのに、頼んだのはカオパット(タイ風チャーハン)とパックブンファイデーン(空芯菜の炒め物)。一緒にいた後輩が頼んだロブスターを少しもらった。
ロブスターももちろんおいしかったけど、タイのチャーハンって何でこんなにおいしいんだろ。ごはんのパラパラ加減だけではないと思うんだけど、それがなんなのかよくわからない。家で再現できたらいいのになって本気で思う。
ご飯を食べたらナイトマーケットもそろそろ店じまい。
歩いて宿に戻り、翌日のプラヤナコン洞窟に備えシャワーを浴びてごろごろ。
こうして、ホアヒンの夜は更けていった。