夕暮れの明日香は美しい。
冬の夕暮れはことさら美しい。
澄んだ空気に、柔らかな日差しが照らし出す里山の風景。
初夏の新緑や秋の稲穂のように彩り豊かでなくとも、心に穏やかさと、
胸につかえていたちょっとしたもやもやを消し去ってくれるようなすっきりした感覚を与えてくれる。
そして燃えるような茜とは異なる、みかんというよりはゆずや梨のような、
優しくて、心に染みわたるような夕暮れが広がる。
50年近くも前に発売されたレトロなフィルムカメラで、何気ない
それでいて大切な日常を切り取る。
日本のはじまりの場所のずっと残したい風景。
そしてあふれ出すどこか懐かしくセンチメンタルで、優しい感情。
心の中から消し去りたくない、ある種のサンクチュアリのようなものを
胸の内側にそっと感じながら明日香の日暮れにレンズを向ける。
束の間の梨のような色に、その色に染まった世界に入り浸る。
じきに訪れる夜は、きっと、手に届きそうな満天の星空が、
夕暮れとは違う明日香の顔が、僕らの心を掴んで離さない。
明日香村散策におすすめの駐車場情報
今回利用した駐車場は無料の「飛鳥歴史公園甘樫丘地区川原駐車場」。
きれいなトイレと自販機があって、明日香散策によく使っています。
「明日(あす)、気の向くままに明日香・橿原を旅しよう」をテーマに、明日香村、橿原市と周辺の町の風景や物語をお届けする
「あすたび!」トップページはこちらから!